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Docker DesktopからRancher Desktopへ移行した話 M1 Pro向け

Published: at 08:42

Docker DesktopからRancher Desktopへ移行した話 M1 Pro向け

はじめに

会社で開発環境を整える中、Docker Desktopに商用ライセンスが必要になったことが移行の大きなきっかけでした。Docker Desktopは個人や小規模チームには無料ですが、一定規模以上の企業では有償ライセンスが求められます。 私の勤務先でもその要件を受け、無償のオープンソース代替ソリューションが検討されました。その結果、Rancher Desktopが有力候補に挙がり、実際に移行してみたら思いのほか快適だったので共有します。


ステップ1:Docker Desktopのアンインストール(必要な場合)

Docker DesktopとRancher Desktopを同時に起動すると、リソース競合などの問題が起きる可能性があります。そのため、移行の際は一度Docker Desktopをアンインストールするのが無難です。 アプリの「Troubleshoot」→「Uninstall」から削除できますが、イメージやボリュームはすべて消えるため、必要に応じてバックアップを取ってください。


ステップ2:Rancher Desktopのインストール(Apple Silicon対応)

公式サイトからARM64(Apple Silicon)版の.dmgをダウンロードし、Applicationsフォルダにドラッグ&ドロップしてインストールします。 初回起動時のウィザードでは以下を選択します:

これで、従来通り docker CLI が使える環境になります。


ステップ3:Docker Compose(v2)もそのまま使える

Rancher Desktopは Docker Compose v2 に対応しており、従来の docker-compose.yml をそのまま利用できます。コマンドもすべて一致します:

docker compose version
docker compose up -d

docker-compose(ハイフン付き)が必要なら、Homebrew経由で別途インストール可能です。


ステップ4:M1 Pro向けパフォーマンス最適化とその理由

ここが今回のキモです。「Preferences」→「Virtual Machine」から以下の設定にしています。

CPU / メモリ割り当て:4〜6コア・8GB以上

仮想化方式:「VZ(Apple Virtualization Framework)」

Rosettaサポート:有効にする

ボリューム共有方式:「virtiofs」


まとめ

Docker Desktopの商用ライセンス問題をきっかけに、Rancher Desktopへ移行しましたが、無償かつパフォーマンス面でも非常に満足しています。 特にM1 Pro環境では、「VZ + Rosetta + virtiofs」の組み合わせが最強におすすめです。Composeもそのまま使え、違和感なく移行できるのが嬉しいポイントでした。